恋が生まれる瞬間
トンと屋上へ降りると、さっきまで歩いていた地上よりも太陽に近いせいか、日差しが強くて室内に慣れていた目が一瞬真っ白になる。
「あっち」と言って先をいく杏子ちゃんになんとか送れず着いていくと、唯一、日陰になったところだった。
「……で、里香の話ってなに?」
「う……」
「ちょっと、杏子、そんなんじゃ話しづらいでしょ?」
「ちょっと、部外者は黙ってて!」
私を助けてくれようとした真由ちゃんを、ピシャっと遮って再び私に目を向ける。