恋が生まれる瞬間

トンと屋上へ降りると、さっきまで歩いていた地上よりも太陽に近いせいか、日差しが強くて室内に慣れていた目が一瞬真っ白になる。



「あっち」と言って先をいく杏子ちゃんになんとか送れず着いていくと、唯一、日陰になったところだった。






「……で、里香の話ってなに?」

「う……」


「ちょっと、杏子、そんなんじゃ話しづらいでしょ?」


「ちょっと、部外者は黙ってて!」



私を助けてくれようとした真由ちゃんを、ピシャっと遮って再び私に目を向ける。

< 397 / 542 >

この作品をシェア

pagetop