恋が生まれる瞬間
ジワジワ胸の奥から溢れ出す安堵感に、思わず涙が出る。



「もぉ、里香泣かないの」


真由ちゃんは、ハンカチを差し出してくれた。





「ねぇ、里香にひとつ言いたいんだけどいい?」


それまでジッと黙っていた杏子ちゃんが、真由ちゃんを押しのけて、私の前まで出る。




その威圧感にゴクリと息を呑んだ。


「う、うん。何?」

「私、先に鳴瀬に告白するよ?もし、上手くいったらどうするの?」
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