恋が生まれる瞬間
まとまりのつかない気持ちを、思い浮かんだまま口にしてみる。



「少し妬んだりもするかもしれないけど…

ごめんね。ちょっと考えまとまらないんだけど、でも、今の私じゃダメなんだって決めたの。杏子ちゃんが鳴瀬君に告白するから私もって言うのは嫌なの

だから――」


「この、頑固者!」





そう言って、杏子ちゃんは私の頬をギュッと抓ってそして、ギュッと抱きしめた。


杏子ちゃんの顔はもちろん見えないんだけど、体が少し震えてる。


「えっ?」
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