恋が生まれる瞬間
「あ、ごめん。鳴瀬君どうぞ」
「いいよ、お前から」



譲り合う声さえハモってしまった。




「じゃあ、私から」



歩く速度はさらにゆっくりとしてくれる。




「あのね、この前鳴瀬君が家まで送ってくれた時に、鳴瀬君が私の中学校の時の話してくれたよね。聞いてて思い出したの。


あの頃は、ただ走ることが大好きで、毎日ひたすら走ってたなぁと思って。

それに比べて、今の私は何か頑張ってることあるのかなって思った」

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