恋が生まれる瞬間
「戸田…お前の行きたい所って、K大なの?」


「うん。あっ、でも受かる自信なんてないんだけど。今から数学なんてもうお手上げ状態なんだけどねハハハ」



「ふーん。親は?反対されなかった?」


「うん。最初はね、反対してたけど、粘り勝ち?最後は応援するって言ってくれた」




「そっか、よかったな」




いつの間にか歩く足を止めていた私達は、どちらからともなく再び歩き始めた。


少し前を歩く鳴瀬君の横顔は、まっすぐ前を向いている。
< 415 / 542 >

この作品をシェア

pagetop