恋が生まれる瞬間
カァ―っと顔に血が上るのが分かる。


夕日が私の顔を照らしているせいで、鳴瀬君には分からないと思うけど。





「よ、よろしくお願いします」


ペコリと頭を下げると、旋毛に向かって「よし、覚悟しておけ」と半分笑う声が振ってくる。



なんだか、その声だけでもう苦手な数学が克服できたような安心感








――いやいや、舞い上がっている場合じゃないぞ
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