恋が生まれる瞬間
すっかりと桜の花が散った後の青々とした木々の立つこの坂を登り、坂の上の学校へと、私は歩き出す。



『おはよう』と挨拶をかけあう生徒達を、微笑ましく眺めながら、緩んだ顔にギュッと力を入れて気合を入れる。



慣れないパンプスは、コツンコツンと心地よい音を立てている。



少し短めのタイトスカートの裾を気にしながら、歩きなれた坂の真ん中まで登ると、その先に校門が見え始める。


見慣れたはずのその場所が、今日は始めてみるような感覚になる。
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