恋が生まれる瞬間
「戸田、そんなトコ歩いてたら転ぶよ」

「大丈夫。っと…きゃっ!」


道路のブロックの上を平均台のように歩いていた私は、鳴瀬君の忠告通りバランスを崩して転んでしまった。








「っ危ねぇ。だから言っただろ?」

「ハハハ、すみません」


地面に落ちる寸前で、私の腕を掬い助けてもらえたから、痛い思いはしなくてすんだ。



「そんなに張り切っても、あんま楽しいことないよ」

「そんなことないよ。だって、鳴瀬君の部屋のもの買いに行くなんて、テンション上がらない方がおかしいでしょ」
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