恋が生まれる瞬間
「戸田、お前何を期待してんの?ただ部屋に来れば?って言ってるだけなんだけど」

真っ赤になった顔を見られたくなくて下を向く私の前に立って、覗きこむその顔は、意地悪そうに笑っている。


「な、なんでもないよ。ち、ちが!違うよ。手土産とか持ってこなかったなぁってこと!」


「ふーん」

「な、何?全然おかしくないでしょ?」

「ま、いいけど。俺は戸田が望むなら今から家に帰って、叶えてあげてもいいけど」

「………っ!」



ショートした私の顔を見てハハハと笑いながらポンポンと頭に手を置く鳴瀬君
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