恋が生まれる瞬間
キッチンに戻ってコーヒーを入れたところで、意識が半分の戸田が起きてきた。


「鳴瀬君ごめんね。寝ちゃった」
「よく寝てた」


「エヘヘ」と笑う戸田の笑顔に、悔しくもドキっとしてしまった。

なぜか無意識にそんなことをする戸田が悔しくて、わざとコーヒーの飲めない戸田のマグカップにコーヒーを注ぐ。

「はい戸田の分」

「えっ?あ、ありがと。マグカップ洗ってくれたんだぁ。やっぱり自分のカップで飲むなんて嬉しいね。エヘヘ」


「………」

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