恋が生まれる瞬間
ギュッと抱きしめた腕は自然と解けた

不思議そうに振り返り俺の顔を覗く戸田を見て、フッと笑いが漏れだ

「ありがと。戸田」

「どういたしまして」

「ありがとう」の本当の意味を知らない戸田は、ニコニコと嬉しそうにミルクティーに口付ている。

そんな戸田を見ながら、今みたいなミラクルがまたあるとは限らないから、今日は早めに送り届けようと決心した。
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