無理矢理☆キッス


また後藤が話しはじめる。


「で、そんなとき1回だけ女遊びしたんだって。」

なんで……?



「石川、翔太先輩のこと好きだったんだろ?それでかなりムシャクシャしてたらしーぜ。相当お前に本気だったんだよ。」


「っ………」


なにも言えない。


「で、そのとき相手したのがこの間お前があった女だったんだって。」


そう…だったんだ……



「その女と比べたキスも、お前とキスしたときのと比べてたらしいぜ?」


うそ……


それ全部本当なの……!?


「あ、ついでに今言ったこと本当はリュウに口封じされてることだから、リュウには言わないでね♪」


……てことは全部本当なんだ……


「話しはそれだけ!じゃな。」



後藤が去っていった後



私は漠然としていた。







リュウの話し最後まで聞かなかった。



勝手に誤解した。



それでリュウを傷つけた。



最低なのは……



私だ……



あついものがこみ上げてくる。


涙腺が緩む。


涙が溢れる。



それはまるでくるった蛇口みたいに。




やむことを知らない雨みたいに。



涙が止まらない。
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