無理矢理☆キッス


その音は


私が殴られた音ではなく、



リュウが机を蹴って倒したときの音だった。



しんとする教室。



「……ざけんじゃねぇよ」

リュウ……!?



「せこい手使ってねぇで正面からやればいいだろーが!!」



そう怒鳴ったリュウ。



リュウ……私のために……?



「影でコソコソしてんじゃねぇよ…」



そう言って、リュウは席についた。



しばらくの沈黙。



でもその沈黙は先生にして壊された。



「ごらぁ!!神宮寺!!お前、後で職員室こい!!」



!!!


まってよ……


リュウは悪くないよ………!!



「せんせっ……!!」

キーンコーンカーンコーン……



嫌なタイミングで予鈴が鳴った。



「じゃあ、後で来いよ!!」



そう言って、去って行った先生。



「リュウ!!」


私はリュウのところに走っていった。
< 218 / 260 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop