無理矢理☆キッス
しばらく私達はなにも言わず、
ずっと抱きしめあっていた。
これだけでも好きって気持ちが伝わってくる。
「石川………リュウ…」
ふいに横から聞こえた声。
「あっ……櫻井くん……!!」
そうだ………
私、自分のことだけに必死になって……
ちゃんと言わなくちゃ。
私の気持ち……
「あの、櫻井くん……」
「言わなくていいよ」
櫻井くんは私の口を、人差し指をたてて封じた。
「今のふたりみてたら……適わないことくらいわかってるよ」
「櫻井くん……」
「それに……さっきは強引にして、ごめんな?」
私はとてつもなく悲しい気持ちになった。
櫻井くんのそんな悲しそうに笑った顔、
初めてみたよ……
櫻井くんはチラリとリュウをみた。
「頑張ったけど…やっぱりリュウにはかなわないか」
「櫻井………」
櫻井くんはふーっとため息をついた。
そして、
「幸せになんなきゃぶっ飛ばす」
びしっと私達を指差してそう言った。