花火が消えるまでに




私の気づかないところで部長に見られてた

でも…
きっとそれ以上に私は部長を見てると思う

電話してる姿とか、社員に話している姿とか、笑ってるところ、起こってるところ、驚いているところ…

会社にいるだけでいろんな部長を見れてるけど、こんな風に普段の姿を見たことはなかった


「はあ、戻りたくないけどそろそろバレるかな…」

あ…そうだよね…
部長なんて1番いなきゃいけない存在なのに、それに、私と一緒にいるなんてわかったら大変だもんね


「す、すいません!私のせいで…」

「だから~船山さんのせいじゃないってば!俺が一緒に出たかったからなだけだから!ね?」


部長は子供に言い聞かせるように私の頭をポンポンとたたき、わかった?と首を傾げた


「…はい」
「よろしい」



部長はなにも意味なんてないんだろうけど…



一緒にいたかったからなんて言われたら…




「ん?どうかした?」
「いえ…ふふ」




うれしくてたまらないよ…


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