花火が消えるまでに
部長と2人で会場に戻るとまだみんなガヤガヤと騒いでいた
「あ、部長どこいってたんですかあ~!」
あ、この人よく部長と話してる人だ…
えっと…
「すまない、土井。ちょっと外で涼んでた」
「今、今度の花火大会のことみんなで話してたんです!」
土井(つちい)さんと呼ばれた人は肩までの明るい髪をくるんとはねさせて部長の腕に自分のを絡ませた
いきなりの展開に驚くとともに、グサリと衝撃が走った
「はあ、お前も酔ってるのか?離しなさい」
「いやです~!ね、部長もこっちで話しましょう?」
女の私が見ても綺麗でスタイルも申し分ない土井さん
うちの会社はタイトめな制服だけど、その下に隠れている体は綺麗なラインとなって現れていた
「花火大会にみんなでいこうってはなしてたんですよ~」
「はあ、お前らなぁ…。仕事そっちのけで祭り行くのか?」
「だからあ、終わったらみんなで行きましょうよ~」
酔っているのか、はたまた故意なのか…
土井さんは甘えたような声で部長に話しかける
相変わらず腕は絡ませたままで、豊満な胸を腕に押し当てていた
「すごいよね…彼女」
「え?」
ボケーと見ていたら何時の間にか加藤先輩が隣に立っていた
「酔ったふりしては部長に絡んでるんだよね。ある意味すごいなって思うよ」
「は、はあ…」
「ま、部長はこれっぽっちも相手になんてしてないよ。安心しな」
「そうですか…。って、え?」
加藤先輩の意味深な言葉に私は思わず赤くなる
「ちょ、加藤先輩っ⁈」
「丸わかりよ~!大丈夫、内緒にしておくから」
にやにやと私の頬を突っつき、応援するよ!と言ってくれた
恥ずかしいけど、モヤモヤしていた気持ちが少しだけ軽くなった