花火が消えるまでに



「お前はまた…なにも朝一で持ってこなくてもいいだろう」
「す、すみません…」


そう言われてみれば朝っぱらから渡したら部長の荷物を増やすだけだ…

今さら大失態に気づいた私はしゅんと小さくなる

そんな私を部長は上から見下ろしくすくす笑う


「ま、おまけもついてることだし、よしとするか」

「え?」


私が顔をあげると部長が小さなピンクの袋を揺すって私に見せた

それは私が今朝焼いたクッキー…


「お前器用だな。手作りだろ?」
「は、はい!でもほんと簡単に作ったものなので…」
「いや、昼まで楽しみにとっとくよ。サンキューな」


部長はクッキーを紙袋にしまうと、自分の席へと向かっていった


私はちゃんとしたお礼も言えなかったことにまたまた今さら気づき、またしゅんと小さくなるのだった



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