花火が消えるまでに



佳菜子は唐揚げをバクバク頬張りながらしれっと爆弾を落とした

彼女…

部長に彼女がいるの…?


確かにこんなにかっこよくて、優しくて、モテモテだもん…

いないほうがおかしいよね。


でもそういう噂聞いたことなかったから、勝手にいないのかな?って思ってた


あ…なんか泣きそう…



「ふ、あはははっ」

「え?」



今にも泣きそうな私の隣で部長は突然笑いだした

驚きで涙も引っ込む



な、なに?なにがおかしいの?



「あのなぁ、そんなやつがいたらコンビニ弁当なんてさみしいもん食べてないだろ?作ってくれるような人がいないから、俺は毎日さみしく食堂で食べてるんだ。わかったか?」





なんだ…


…彼女…いないんだ…
なんか一気に安心した…
よかったよお…

今度は安心から涙がでそう



「なぁんだ~」

「おいおい…。つまんなそうに言うなよ、なあ船山?」


「へ?」



安心しきっていた私は突然部長に同意を求められてまたもやまぬけな声を出してしまった



そんな私を部長はまた楽しそうに笑う




ああ…もう今日はいろいろ恥ずかしいよ…






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