花火が消えるまでに
黒木 行広部長
30歳
スラリと高い身長に、
整った容姿
おまけに有名大学卒業の肩書きもあり
女性社員のほとんどがメロメロ…
まあ佳菜子は除いてね…
「いやー実は船山がまたドジやらかして…」
「ちょ、またってそんなに頻繁に失敗してないです!」
先輩ってば、わざわざ部長の前で言わなくてもいいのに!
私はなにより恥ずかしくて先輩に向かって怒った
「…船山、なにした?」
「ふぇ!?あ、いや…そ、その…」
うえーん、部長に話しかけられるとまともに話せないんだって~
恥ずかしすぎるよ…
「コピー頼んだら裏面印刷してたらしいんすよ!」
「も、もう!先輩!」
あー言われちゃった…
もうここから逃げたいよ…
「それなら俺だってやるさ」
「「え?」」
驚いて思わず私と先輩の声が重なった
「疲れてたりするとよくやる。誰にでもミスはある。なにも恥ずかしがることはない」
部長は私の頭をポンポンと軽く叩き、自分のデスクに戻っていった