花火が消えるまでに
*接近
数日後、会社内でとある企画の打ち上げ飲みがあった
夏に合わせたカジュアルな木目の家具の売り上げがよかったらしく、会社の経費で落とすとあってみんなノリノリで参加していた
私も佳菜子とほろ酔いになりながら周りの先輩方と話していた
「へえ~、寺下さんって年下の彼氏いるんだね!うらやましいね~」
「そんな~!加藤先輩だって美人だし、絶対モテますよお~!」
私達と一緒に飲んでいるのは加藤 はる(かとうはる)先輩
前髪長めなショートがかっこよくて、でもすごく女性らしい先輩
私達の憧れでもあり、仕事・私生活においても大先輩でいつもお世話になっている
私も一人暮らしを始めた頃は食事とか、生活面ですごくお世話になった
「え~もう28だもん。こんなおばさんにいい出会いなんかないよ~」
「そんなことないですってば!ね、望?」
ふいに話を降られて私は思わず戸惑った
「ふえ?あ、そ、そうですって!」
「ふふっ、船山さんってばなんか天然の気配あるよね」
わ、私が天然?!
ありえないです…
「そうなんですよ!で、それを本人が自覚してなくて…。まあ、だからいいんでしょうけど」
えー佳菜子までそんなこと…
絶対ありえないよ…
「ね、部長もそう思いますよね?」