夏のオモイデ~打ち上げ花火~【短編】
*横顔
「…茜、涼に浴衣姿見せれて良かったね。」
彩花が耳元で囁いてクスと笑った。それにつられて私も笑った。
「茜!ちょうどいいところに来た!!ここで見てけば?いい場所だからさ。」
……白々しいよ、裕太。
でも裕太は私に向かって涼に見つからないように親指を上げて、イタズラな笑顔を見せてくれたんだ。
私と彩花が2人に近づくと涼は座れるようにつめてくれた。
「ここ、座れば?」
「ありがとう…。」
彩花は私が涼の隣に座るように私の背中を押した。
私はおずおずと涼の隣に座った。
「狭いからもうちょいこっち来いよ。」
「あ、うん…!」
涼が私に手招きする。
顔、赤い…。暗くて良かった…!
私はさらに涼に近づいた。