夏のオモイデ~打ち上げ花火~【短編】

「茜!いいの?」


歩き出した私の手をつかみ囁く彩花。

私は彩花の目を見てうなずいた。


「また会えるかわからないから、私からサヨナラしたかったんだ。涼からサヨナラされると、なんだか、もう 会えない気がして。これで最後かもしれないから、スッキリさせたかったの。」


涼と会っていた時は、いつも涼からサヨナラを切り出していた。
少しでも長く、涼といたくて涼に会わせていた。


でも、前みたいな待っているだけの私はいない。

自分から歩き出せる人になりたかった。










< 23 / 25 >

この作品をシェア

pagetop