夢でいいから~25歳差の物語
「まさか…青山先生が好きなの?」


「…」


認めるべきか、認めざるべきか。


「いや、あの…」


「私は好きだけど」


えええ!?


まさかの展開に頭の中がショートしてしまった。


「先生…そ、そ、そうなんですか?」


「うん。だって本当は面白いよ、あの先生」


あー、「love」ではなく「like」の方だったのね。


びっくりした。


「わ、私もなんですよー。いつもはクールなのに時々面白い一面があったりして。ははは」


「そうだよねー」


…ふう。


なんとかごまかせたようだ。


ってあれ?


どうして机の上に新聞が?


「先生、この新聞は?」


「さっきまで読んでたの」


「そうでしたか」


新聞を見るとトップには『学校を襲撃する謎の集団、今度は地方に現れる!!』という見出しがでかでかと躍っていた。


そういえばニュースでやっていたっけ。


謎の集団が現れて学校を襲撃しては消えていく事件が起きているって。


目的も動機も彼らの素性もわからず、警察を呼んでも到着する前に消えていくという謎で埋め尽くされた集団なのだ。


まったく世も物騒になったものだ。


気付くと、いつのまにか生徒が何人か来ていた。


さて、私はおとなしく宿題でもやるかな。


生物の課外を密かに心待ちにしながら。
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