夢でいいから~25歳差の物語
その後、五稜郭タワーと五稜郭公園を後にし、バスで12分ほどかけて函館駅に到着した。


時計を見るとすでに15時を過ぎている。


とりあえず遅い昼食を近くのファーストフード店で済ませた。


今思えばせっかく北海道に来たのに、ファーストフード店で食事を済ませるなんてもったいなかったな。


まぁ、仕方ないか。


「えーっと、先生。函館といえば?」


私はチーズバーガーをかじりながら先生に聞いた。


「…夜景ですかね」


先生は湯気の立っているコーヒーを一口飲んでから言った。


「そう、夜景です。食べ終わったら行きましょうか、函館山」


「はい」


そして昼食を終え、駅の中を少し見て回った後、バスに揺られること約25分。


函館山の山麓に到着した。


ここから山頂まではロープウェイで行くのだが…。


私は修学旅行の時のことを思い出す。


あれはロープウェイで山頂から山麓に下りている時だった。


気圧の低いところから高いところに移動した上、密室だったおかげで飛行機に乗った時と同じく、耳が痛くなってしまったのだ。


さらに、ニセコから札幌に向かう途中、密室状態のバスで山を下った時にも同じことが起こった。


それを思い出し、思わず苦笑した。


またあの痛さを味わわなくてはならないのか…。
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