夢でいいから~25歳差の物語
「主人がどうしたんです?」
「急に暴れ始めまして」
「え!?」
嘘でしょ?
出会ってから6年以上経っているけど、そんな先生なんて見たことがない。
「おそらくストレスだと思います。失った記憶を思い出せなくて、やり場のない怒りや葛藤が蓄積していたのではないかと」
医師も混乱しているらしく、困惑した様子である。
「とりあえず鎮静剤を…」
「いえ、その前に」
医師の言葉を遮り、それだけ言って私は病室に足を踏み入れた。
粉々に砕け散ったガラスの花瓶。
これ、小樽で買ったやつじゃなかったかな。
そして花瓶に入っていたはずのコスモスは放り出されて、なんだか悲しんでいるように見えた。
「どうして」
思わず呟く。
そして次の瞬間には大声を出していた。
「先生!」
「流星さん…」
先生のその声は、先ほどまで暴れていたとは思えないほど力がない。
私は先生の元に駆け寄った。
「苦しんでいるのはわかります。でも…行動でしかそれを示せないんですか?だったら私は何のために先生の隣にいればいいんですか!?」
母の言葉も何もかも忘れ、私は先生の手首をつかみながら叫んでいた。
先生は悲しげで困ったような顔をするだけだった。
「急に暴れ始めまして」
「え!?」
嘘でしょ?
出会ってから6年以上経っているけど、そんな先生なんて見たことがない。
「おそらくストレスだと思います。失った記憶を思い出せなくて、やり場のない怒りや葛藤が蓄積していたのではないかと」
医師も混乱しているらしく、困惑した様子である。
「とりあえず鎮静剤を…」
「いえ、その前に」
医師の言葉を遮り、それだけ言って私は病室に足を踏み入れた。
粉々に砕け散ったガラスの花瓶。
これ、小樽で買ったやつじゃなかったかな。
そして花瓶に入っていたはずのコスモスは放り出されて、なんだか悲しんでいるように見えた。
「どうして」
思わず呟く。
そして次の瞬間には大声を出していた。
「先生!」
「流星さん…」
先生のその声は、先ほどまで暴れていたとは思えないほど力がない。
私は先生の元に駆け寄った。
「苦しんでいるのはわかります。でも…行動でしかそれを示せないんですか?だったら私は何のために先生の隣にいればいいんですか!?」
母の言葉も何もかも忘れ、私は先生の手首をつかみながら叫んでいた。
先生は悲しげで困ったような顔をするだけだった。