夢でいいから~25歳差の物語
「復讐って…」


魔王といい、アザミといい、何かただならぬものを感じる。


ふと見ると、ゴミ箱の中にハガキサイズの真っ白な封筒が捨てられていた。


気になった私はそれを拾って開ける。


中に入っていたのは封筒と同じく真っ白な紙。


内容はこうだった。


<このオルゴール、まるで血のような色だと思いませんか?>


パソコンで打ったのか、機械的な字が一層不気味さを際立たせる。


「流星さん?」


いつのまにか先生が入り口のところにいた。


「先生、アザミの花言葉って」


「ええ。安心、厳格など色々あります。しかしその中には復讐という意味が」


そこまで言った彼の顔がやたらに青ざめている。


「あの、大丈夫ですか?」


「やめろ」


「え?」


「やめろ、俺じゃない!悪いのは兄貴だ!」


「ちょっと先生、落ち着いて下さい!」


私が先生の衣服の裾をつかんだ瞬間、彼は小さな声をもらして私の腕の中で気絶した。


「大変!すぐにナースコールを…」









「最近彼は、情緒がいつになく不安定で」


医師は眠る先生の顔を見ながら暗い顔で語る。


「そうなんですか」


「ひどい時は精神安定剤が必要な時もありました」


「え?!」


私は反射的に医師を見た。


医師は沈んだ表情でこう続ける。
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