夢でいいから~25歳差の物語
「いいです。いいんです、警察なんか」
「青山さん!」
医師は必死だが、俺は構わずにとんでもないことを言う。
「これが運命(さだめ)だとしたら俺は犯人と戦って死にます」
「そんな」
「やめて下さい。生まれてくるべきでなかった奴の心配なんか」
「…」
俺の言葉に沈黙する2人。
きっと、そうだ。
考えてみれば、兄貴のせいでひどい目にあい、心身共にズタズタに傷つき、おまけに妻達の記憶を失ってしまうなんて、俺の人生はなんてひどいストーリーだろう。
生まれてくるべきでなかったんだ。
だからこんなことになってしまったんだ。
そんな中、医師が口を開いた。
「この世に生まれてきてはならない人間なんていません。どんな人も、生まれてくるべくして生まれてきたんです」
思わず医師を見る。
彼は語った。
人の優しさについて。
「すいません、なんだか話が途中から逸(そ)れてしまいました」
しばらく語ってからそう言う医師に対し、微笑して俺は首を振る。
「いえ」
自然に笑みが出るほど、俺の心は晴れ渡った空のようにすがすがしくなっていた。
「おっと、私は診察があるので失礼します。青山さん、とりあえず安静にしていて下さいね」
「わかりました」
俺が言うと医師は病室を出ていく。
それからしばらく沈黙が続いた。
「青山さん!」
医師は必死だが、俺は構わずにとんでもないことを言う。
「これが運命(さだめ)だとしたら俺は犯人と戦って死にます」
「そんな」
「やめて下さい。生まれてくるべきでなかった奴の心配なんか」
「…」
俺の言葉に沈黙する2人。
きっと、そうだ。
考えてみれば、兄貴のせいでひどい目にあい、心身共にズタズタに傷つき、おまけに妻達の記憶を失ってしまうなんて、俺の人生はなんてひどいストーリーだろう。
生まれてくるべきでなかったんだ。
だからこんなことになってしまったんだ。
そんな中、医師が口を開いた。
「この世に生まれてきてはならない人間なんていません。どんな人も、生まれてくるべくして生まれてきたんです」
思わず医師を見る。
彼は語った。
人の優しさについて。
「すいません、なんだか話が途中から逸(そ)れてしまいました」
しばらく語ってからそう言う医師に対し、微笑して俺は首を振る。
「いえ」
自然に笑みが出るほど、俺の心は晴れ渡った空のようにすがすがしくなっていた。
「おっと、私は診察があるので失礼します。青山さん、とりあえず安静にしていて下さいね」
「わかりました」
俺が言うと医師は病室を出ていく。
それからしばらく沈黙が続いた。