夢でいいから~25歳差の物語
ヒュウと風が音を立てて走り去る。
そんな中、私と来客は沈黙を保ちながら見つめ合っていた。
「…」
本日3回目の気まずい沈黙。
それを破ったのはキッチンから出てきた母だった。
「あっ、いらっしゃい。寒かったでしょ」
それに答えるかのように、来客は表情も変えずにペコリとお辞儀をした。
本当にこの人は…どこまで冷静なんだろう。
「流星。言ってなかったから今、紹介するわね」
嫌な予感がした。
母は父と離婚して今は独身。
じわりじわりと不安が心を侵食していく。
「この男性(ひと)はわたしの婚約相手、青山皐示さんよ」
「…!!」
そう、来客とは青山先生のことだったのだ。
でもまさか、先生の言っていた婚約者が私の母だなんて!
ショックのあまり、足がガクガクと震え出す。
「…驚いた?」
そんな私の様子に気付いていないらしく、母はいたずらっ子のような笑顔を向ける。
うん、驚いたよ。
まさか自分の好きな人が親の婚約者だったなんてね。
先生が家に来るまで微塵も思っていなかったよ。
わかっている。
母にも先生にも罪がないのはわかっている。
だけど…。
「流星!」
こんなのひどいよ。
私は母の呼ぶ声を無視して先生の横をすり抜け、夜の闇に飛び出した。
そんな中、私と来客は沈黙を保ちながら見つめ合っていた。
「…」
本日3回目の気まずい沈黙。
それを破ったのはキッチンから出てきた母だった。
「あっ、いらっしゃい。寒かったでしょ」
それに答えるかのように、来客は表情も変えずにペコリとお辞儀をした。
本当にこの人は…どこまで冷静なんだろう。
「流星。言ってなかったから今、紹介するわね」
嫌な予感がした。
母は父と離婚して今は独身。
じわりじわりと不安が心を侵食していく。
「この男性(ひと)はわたしの婚約相手、青山皐示さんよ」
「…!!」
そう、来客とは青山先生のことだったのだ。
でもまさか、先生の言っていた婚約者が私の母だなんて!
ショックのあまり、足がガクガクと震え出す。
「…驚いた?」
そんな私の様子に気付いていないらしく、母はいたずらっ子のような笑顔を向ける。
うん、驚いたよ。
まさか自分の好きな人が親の婚約者だったなんてね。
先生が家に来るまで微塵も思っていなかったよ。
わかっている。
母にも先生にも罪がないのはわかっている。
だけど…。
「流星!」
こんなのひどいよ。
私は母の呼ぶ声を無視して先生の横をすり抜け、夜の闇に飛び出した。