夢でいいから~25歳差の物語
「私は先生が好きだからです。ただのお人好しでも、妻の義務と思っているからでもありません」
「流星さん…」
「帰りましょうか」
自分で言ったことに恥ずかしくなった私は早足で出口に向かった。
しかし、先生に言ったことに嘘はない。
私は青山皐示という1人の人間を愛している。
それだけだ。
それ以外の理由なんてない。
理屈だってもちろんない。
「記憶を失って俺はなんて不幸な人間なんだろうと思っていました。でも違いますね」
ふふ、と笑っている。
「あなたのような人がいてくれれば、記憶は失っていてもそれだけで幸せなんですね。ありがとうございます。少し沈んでいた気持ちが楽になりました」
「やだ、恥ずかしい」
私はそう言って走り出す。
「あ、ちょっと待って下さいよ」
先生が慌てて追いかけてきた。
「嫌です」
嬉しいことを言ってくれたので、ちょっと意地悪してみる。
先生の困った顔がかわいい。
「あ、先生」
私は走りながらケータイを取り出し、ホトトギスの花の画像を見せた。
「ホトトギス?」
「ええ」
「えーっと、花言葉は確か…」
「別のもありますが『永遠にあなたのもの』です」
そう言って私はさらに足を早めるのだった。
「流星さん…」
「帰りましょうか」
自分で言ったことに恥ずかしくなった私は早足で出口に向かった。
しかし、先生に言ったことに嘘はない。
私は青山皐示という1人の人間を愛している。
それだけだ。
それ以外の理由なんてない。
理屈だってもちろんない。
「記憶を失って俺はなんて不幸な人間なんだろうと思っていました。でも違いますね」
ふふ、と笑っている。
「あなたのような人がいてくれれば、記憶は失っていてもそれだけで幸せなんですね。ありがとうございます。少し沈んでいた気持ちが楽になりました」
「やだ、恥ずかしい」
私はそう言って走り出す。
「あ、ちょっと待って下さいよ」
先生が慌てて追いかけてきた。
「嫌です」
嬉しいことを言ってくれたので、ちょっと意地悪してみる。
先生の困った顔がかわいい。
「あ、先生」
私は走りながらケータイを取り出し、ホトトギスの花の画像を見せた。
「ホトトギス?」
「ええ」
「えーっと、花言葉は確か…」
「別のもありますが『永遠にあなたのもの』です」
そう言って私はさらに足を早めるのだった。