夢でいいから~25歳差の物語
Secret25 永遠
「あはは。なんですか、これは」


「あっ、勝手に見ないで下さいよ」


ある休日、ふと先生の机の上にあった写真達を見て私が笑うと、先生が風のように走ってきて私から写真を取り上げる。


かなりの焦りようだ。


私が見た写真には、先生の驚いた顔が写っていた。


先生曰く、写真部員が先生を驚かしてその瞬間の顔を先生のカメラで勝手に撮ったんだそうだ。


そういえば私が高校2年生の時の校内発表会で、写真部の顧問だった先生の後ろ姿の写真が使われていたA4サイズのポスターが渡り廊下に貼られていたっけ。


しかも先生のところから伸びている吹き出しには、彼女募集中だなんて赤いマジックで書いてあったよなぁ。


明らかに写真部員がやったことだろうけど。


あの時は修学旅行の4日前だったから、まだ先生をそれほど意識していなかったんだよね。


なんて懐かしい。


まぁ、本人には言わないでおこう。


それにしても、あのポスターはどうなったのかな。


まだ捨てられていないなら欲しいかも。


なんたって好きな人の写真だもん。


いや、隣には実物がいるからそんな必要はないか。


うへへへ。


なんて浮かれていたらあらまあ、先生がきょとんとしている。


そこで鼻歌混じりに部屋の掃除を始めるのだった。
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