夢でいいから~25歳差の物語
入ってみると、お祈りを捧げている人や会話をしている人が4、5人いた。
「ここが…」
先生は懐かしそうにキョロキョロしている。
その目は遠く過ぎ去った時間を現在(いま)という地点から見つめているようだった。
「ええ」
私はうなずいて座った。
少し顎を上げてみると、赤や黄色や青で彩られた美しいステンドグラスが視界の中心に現れた。
そこから日が差し込み、赤ワイン色のカーペットの上に優しい光を落としている。
「なんだか夢の中にいるみたいです」
先生がぽつりと呟いた。
「夢ですか」
「はい」
私はなんとなく結婚式の時のことを思い出していた。
「似合うよ…。まるで白いバラのようだ」
「せ、先生。白いバラのようだって」
「なぁ、白いバラの花言葉を知ってるか?」
「いいえ」
「『私はあなたにふさわしい』、そして『相思相愛』という意味だ」
「白いバラか…」
「え、白いバラ?」
私が思わず呟くと先生が不思議そうにこちらを見た。
「はい。式の前に先生が白いバラの花言葉を教えてくれたんです」
「そういえば式の前に誰かに花言葉を教えていた気がしていたんですが、あなただったんですね…」
彼は感慨に満ちたため息をもらす。
そのまま静かで厳かな時間がただ過ぎていった。
「ここが…」
先生は懐かしそうにキョロキョロしている。
その目は遠く過ぎ去った時間を現在(いま)という地点から見つめているようだった。
「ええ」
私はうなずいて座った。
少し顎を上げてみると、赤や黄色や青で彩られた美しいステンドグラスが視界の中心に現れた。
そこから日が差し込み、赤ワイン色のカーペットの上に優しい光を落としている。
「なんだか夢の中にいるみたいです」
先生がぽつりと呟いた。
「夢ですか」
「はい」
私はなんとなく結婚式の時のことを思い出していた。
「似合うよ…。まるで白いバラのようだ」
「せ、先生。白いバラのようだって」
「なぁ、白いバラの花言葉を知ってるか?」
「いいえ」
「『私はあなたにふさわしい』、そして『相思相愛』という意味だ」
「白いバラか…」
「え、白いバラ?」
私が思わず呟くと先生が不思議そうにこちらを見た。
「はい。式の前に先生が白いバラの花言葉を教えてくれたんです」
「そういえば式の前に誰かに花言葉を教えていた気がしていたんですが、あなただったんですね…」
彼は感慨に満ちたため息をもらす。
そのまま静かで厳かな時間がただ過ぎていった。