夢でいいから~25歳差の物語
それから私は街をひたすら走って、走って、走った。
ただ本能のままに走る。
気付くと土手に来ていた。
草が生い茂り、街の明かりはすでに遠くて数メートルおきに設置された街灯と月明かりだけが頼りだった。
とても都会とは思えない。
私はなんとなく吸い寄せられるように、草木をかき分けて川原に座り込んだ。
本当に、あのクリスマスイブと一緒だ。
違うのは、季節と場所。
それから、先生が私を捜してくれているという保証がないこと。
あの時は事実を信じたくなくて、いきなり家を飛び出しただけだった。
でも今回は、自分を信じてくれないことが悔しくて、悲しくてしまいには最愛の男性(ひと)をバカ呼ばわりして家を出てきてしまった。
ただでさえ怒らせていたのに、こんなことをしたら火に油を注ぐようなものだろう。
何が「先生のバカ!」よ。
私の方がよっぽどバカじゃない。
先生は勘違いしただけであって何も悪くない。
悪いのは盗撮して先生に写真を送った犯人と、怒る先生を前にうまく真実を伝えられなかった私。
どうすればいいんだろう。
犯人は魔王と決まったわけではないから、魔王を問い詰めるわけにもいかない。
私はため息をつきながら近づいてにあった石を投げる。
石はボチャンと音を立てて川の中に消えていっただけだった。
ただ本能のままに走る。
気付くと土手に来ていた。
草が生い茂り、街の明かりはすでに遠くて数メートルおきに設置された街灯と月明かりだけが頼りだった。
とても都会とは思えない。
私はなんとなく吸い寄せられるように、草木をかき分けて川原に座り込んだ。
本当に、あのクリスマスイブと一緒だ。
違うのは、季節と場所。
それから、先生が私を捜してくれているという保証がないこと。
あの時は事実を信じたくなくて、いきなり家を飛び出しただけだった。
でも今回は、自分を信じてくれないことが悔しくて、悲しくてしまいには最愛の男性(ひと)をバカ呼ばわりして家を出てきてしまった。
ただでさえ怒らせていたのに、こんなことをしたら火に油を注ぐようなものだろう。
何が「先生のバカ!」よ。
私の方がよっぽどバカじゃない。
先生は勘違いしただけであって何も悪くない。
悪いのは盗撮して先生に写真を送った犯人と、怒る先生を前にうまく真実を伝えられなかった私。
どうすればいいんだろう。
犯人は魔王と決まったわけではないから、魔王を問い詰めるわけにもいかない。
私はため息をつきながら近づいてにあった石を投げる。
石はボチャンと音を立てて川の中に消えていっただけだった。