夢でいいから~25歳差の物語
<すべては復讐のために>
久々に魔王からそんなメールが届いたのはそれから数日経った、濡れたようなオレンジ色がまぶしいある夕方だった。
「そんなの知っているよ」
私はケータイのディスプレイにそんな言葉をぶつけた。
花言葉に『復讐』の意味を含むアザミやクローバーを送ってきた時点で、そんなことはわかっていた。
ただ、気になることがある。
今までの行動からして、魔王は私達に相当な恨みを持つ人間だ。
しかし、直接手を下したのは本当に少ない。
むしろ、こそこそとオルゴールと嫌な内容の手紙、そしてメールや電話などを送るという陰湿な犯行の方が多い。
なぜ、そんなに恨んでいるのなら直接手を出さないのか。
魔王はじわじわと相手をゆっくり追いつめていくのが好みなのだろうか。
それとも私達は魔王にとって、手を下しにくい相手なのか。
先生の顔がふっと浮かぶ。
彼への疑いはまだ晴らすことが出来ていない。
何も進展なんてない。
先生はいつもと変わらない笑顔をくれるのに。
「ダメね。実の夫を疑うなんて」
誰もいない部屋に私の声がむなしく響く。
「俺を疑うだって?」
いきなり先生が姿を現した。
「あ、あれ?学校は?」
「今帰ってきたんだよ」
突然の先生の登場と独り言を聞かれてしまったことに、私は動揺を隠しきることが出来なかった。
久々に魔王からそんなメールが届いたのはそれから数日経った、濡れたようなオレンジ色がまぶしいある夕方だった。
「そんなの知っているよ」
私はケータイのディスプレイにそんな言葉をぶつけた。
花言葉に『復讐』の意味を含むアザミやクローバーを送ってきた時点で、そんなことはわかっていた。
ただ、気になることがある。
今までの行動からして、魔王は私達に相当な恨みを持つ人間だ。
しかし、直接手を下したのは本当に少ない。
むしろ、こそこそとオルゴールと嫌な内容の手紙、そしてメールや電話などを送るという陰湿な犯行の方が多い。
なぜ、そんなに恨んでいるのなら直接手を出さないのか。
魔王はじわじわと相手をゆっくり追いつめていくのが好みなのだろうか。
それとも私達は魔王にとって、手を下しにくい相手なのか。
先生の顔がふっと浮かぶ。
彼への疑いはまだ晴らすことが出来ていない。
何も進展なんてない。
先生はいつもと変わらない笑顔をくれるのに。
「ダメね。実の夫を疑うなんて」
誰もいない部屋に私の声がむなしく響く。
「俺を疑うだって?」
いきなり先生が姿を現した。
「あ、あれ?学校は?」
「今帰ってきたんだよ」
突然の先生の登場と独り言を聞かれてしまったことに、私は動揺を隠しきることが出来なかった。