夢でいいから~25歳差の物語
Secret31 戦渦の告白
-ある休日の夕方-
「ただいま」
「お帰り、先生。今から買い出しに行くんだけど晩ごはん、何か食べたいものってある?」
「流星」
「せ、先生のバカ」
私達は相変わらずの生活を送っていた。
あれから先生の様子はほとんど変わらない。
なぜほとんどという単語を使ったのかを述べると、少しだけは気になることがあるからだ。
さて、回りくどい言い方はやめよう。
単刀直入に言えばあれ以来、先生が妙に優しくなった。
無論、彼は以前から優しかったが最近はその優しさが少し怖い。
まるで今という時間を惜しんでいるかのように見えた。
疑いを晴らすためにわざと優しくするの?
それとも本当に時間を惜しんでいるの?
だったらどうして?
答えは怖くて聞けなかった。
そして数日後、ためらう私を焦らせる事態がやってくる。
「母さーん」
私は久々に実家に戻ってきた。
母の顔を見に来たのだが、出来れば先生のことも相談したかったのだ。
「な、流星」
母は青白い顔で私を迎えた。
「どうしたの?」
「これがさっき届いたのよ」
「!」
母の震えた指がさす先にはあのワインレッドのオルゴールと相変わらず白い封筒と真っ黒な花。
「黒ユリ?」
確か花言葉は…。
「ただいま」
「お帰り、先生。今から買い出しに行くんだけど晩ごはん、何か食べたいものってある?」
「流星」
「せ、先生のバカ」
私達は相変わらずの生活を送っていた。
あれから先生の様子はほとんど変わらない。
なぜほとんどという単語を使ったのかを述べると、少しだけは気になることがあるからだ。
さて、回りくどい言い方はやめよう。
単刀直入に言えばあれ以来、先生が妙に優しくなった。
無論、彼は以前から優しかったが最近はその優しさが少し怖い。
まるで今という時間を惜しんでいるかのように見えた。
疑いを晴らすためにわざと優しくするの?
それとも本当に時間を惜しんでいるの?
だったらどうして?
答えは怖くて聞けなかった。
そして数日後、ためらう私を焦らせる事態がやってくる。
「母さーん」
私は久々に実家に戻ってきた。
母の顔を見に来たのだが、出来れば先生のことも相談したかったのだ。
「な、流星」
母は青白い顔で私を迎えた。
「どうしたの?」
「これがさっき届いたのよ」
「!」
母の震えた指がさす先にはあのワインレッドのオルゴールと相変わらず白い封筒と真っ黒な花。
「黒ユリ?」
確か花言葉は…。