夢でいいから~25歳差の物語
それから数日。
私は穏やかな春休みを送っていた。
もっとも、先生への想いは断ち切れていないが。
だから会いたくなってしまった時は、修学旅行の時にこっそり撮った写真を見ている。
思えば、修学旅行の時は青山先生に限らず、色々な先生を撮っていたなぁ。
懐かしい思い出にしんみりしていると、たちまち秋留ちゃんの声で現実に戻される。
「流星ちゃん、買い物に行ってくるね」
「あっ、行ってらっしゃい」
パタン、とドアがしまる音が聞こえて1人きりになったのを思い知らされた。
1人は嫌だ。
色々なことを考えてしまう。
もちろん先生のことも。
いや、むしろ先生のことを一番考えてしまう。
いつもポーカーフェイスの中、たまに見せるまるで川の下流のように穏やかな優しい微笑み。
なんとも言えない特徴のある低い声。
クリスマスイブの夜に見た月光に照らされた、月以上に美しいあの寝顔。
…こんな状態で本当にあきらめられるのかな。
私はギリギリと締め付けられる胸を押さえた。
それでも痛みはおさまらず、激しくなっていくばかりだ。
「甘い恋」とは無縁な、この「苦い恋」。
先生がいるあの家に行きたい。
そうして決意が崩れかけては、頑固なプライドがたちまち元通りにしていく。
私は穏やかな春休みを送っていた。
もっとも、先生への想いは断ち切れていないが。
だから会いたくなってしまった時は、修学旅行の時にこっそり撮った写真を見ている。
思えば、修学旅行の時は青山先生に限らず、色々な先生を撮っていたなぁ。
懐かしい思い出にしんみりしていると、たちまち秋留ちゃんの声で現実に戻される。
「流星ちゃん、買い物に行ってくるね」
「あっ、行ってらっしゃい」
パタン、とドアがしまる音が聞こえて1人きりになったのを思い知らされた。
1人は嫌だ。
色々なことを考えてしまう。
もちろん先生のことも。
いや、むしろ先生のことを一番考えてしまう。
いつもポーカーフェイスの中、たまに見せるまるで川の下流のように穏やかな優しい微笑み。
なんとも言えない特徴のある低い声。
クリスマスイブの夜に見た月光に照らされた、月以上に美しいあの寝顔。
…こんな状態で本当にあきらめられるのかな。
私はギリギリと締め付けられる胸を押さえた。
それでも痛みはおさまらず、激しくなっていくばかりだ。
「甘い恋」とは無縁な、この「苦い恋」。
先生がいるあの家に行きたい。
そうして決意が崩れかけては、頑固なプライドがたちまち元通りにしていく。