夢でいいから~25歳差の物語
それから2週間ほど経ったある蒸し暑い日だった。
「なぁ、お前のこと、好きな奴がいるって知っていたか?」
バイトにもだいぶ慣れたある時、塾で森山がなぜか自慢気に話しかけてきた。
「はぁ?知らねぇよ」
俺は冷静に手元のプリント達を整理する。
そんな話、聞いたこともない。
「誰だか教えてやろうか?」
「別にいいよ」
「まぁ、言わせろよ。それはな、サオリちゃんだ」
「えぇ!?いいなぁ、青山先生」
近くにいた1つ上の先輩、中川先生が言った。
サオリ…っていうと、あの矢野沙織か?
俺は漆黒の長い髪を揺らし、上品な微笑みを浮かべた顔を思い出す。
矢野沙織は小学6年生。
真面目で成績も悪くない。
どちらかといえばおとなしい方だが、小学生とは思えない隠しきれぬ美しさに生徒はおろか、教師達までもが惹かれているんだそうだ。
「わぁ、いいな、青山先生」
たまたまやって来た、矢野と同い年の須田洋介が俺に羨望のまなざしを向けてくる。
あのな、みんなして「いいな」って言うが、俺は興味ない奴に好かれても困るんだが。
俺はまわりの盛り上がりを無視してそんなことを考えていた。
しかし、彼女との出会いが俺を教師への道に走らせることになろうとは。
この時の俺は知るはずもなかった。
「なぁ、お前のこと、好きな奴がいるって知っていたか?」
バイトにもだいぶ慣れたある時、塾で森山がなぜか自慢気に話しかけてきた。
「はぁ?知らねぇよ」
俺は冷静に手元のプリント達を整理する。
そんな話、聞いたこともない。
「誰だか教えてやろうか?」
「別にいいよ」
「まぁ、言わせろよ。それはな、サオリちゃんだ」
「えぇ!?いいなぁ、青山先生」
近くにいた1つ上の先輩、中川先生が言った。
サオリ…っていうと、あの矢野沙織か?
俺は漆黒の長い髪を揺らし、上品な微笑みを浮かべた顔を思い出す。
矢野沙織は小学6年生。
真面目で成績も悪くない。
どちらかといえばおとなしい方だが、小学生とは思えない隠しきれぬ美しさに生徒はおろか、教師達までもが惹かれているんだそうだ。
「わぁ、いいな、青山先生」
たまたまやって来た、矢野と同い年の須田洋介が俺に羨望のまなざしを向けてくる。
あのな、みんなして「いいな」って言うが、俺は興味ない奴に好かれても困るんだが。
俺はまわりの盛り上がりを無視してそんなことを考えていた。
しかし、彼女との出会いが俺を教師への道に走らせることになろうとは。
この時の俺は知るはずもなかった。