夢でいいから~25歳差の物語
「待って下さいよ」
私はさらにしゃべろうとする美綺さんを遮る。
「あのお面の集団は私達の学校の他に、いくつもの学校を襲ってきましたよ。それにどうやってあんな人数の人間を集めたんですか?」
「どうやってって、お金で雇っただけです。そして他の学校まで襲わせたのは、単なるカムフラージュに過ぎません。本当の狙いはあなた達の学校だったんです」
「カムフラージュって」
「1つの学校を襲うのはその学校に恨みがあるのかと疑われます」
「いや、でも」
「その学校の関係者の人間関係が洗い出され、あたしが青山先生と関わりがあるとわかったらいけませんからね」
フフ、と笑う美綺さんはまるで魔女のようだった。
「でも美綺さんは先生の元教え子にすぎません。もし仮に警察がただの昔の教え子まで調べるとしたら、膨大な数になって埒(らち)があきませんよ」
「それは」
ここで彼女は一息入れて言った。
「あたしがただの教え子じゃなかったからです」
「ただの教え子じゃなかったって…どういうこと?」
すがりつくような視線を先生に向ける。
彼はまだうつむいたままだった。
「青山先生はあたしの中学の時の先生でした。それと同時に」
「源氏!」
先生が言うが、美綺さんはためらうことなく私にこう言い放った。
「それと同時に、恋愛関係にあったんです」
「…」
衝撃が強すぎて何も言うことが出来なかった。
私が入院した時に言われたあれは、冗談なんかではなかったんだ。
ただその場に立ち尽くすだけだった。
私はさらにしゃべろうとする美綺さんを遮る。
「あのお面の集団は私達の学校の他に、いくつもの学校を襲ってきましたよ。それにどうやってあんな人数の人間を集めたんですか?」
「どうやってって、お金で雇っただけです。そして他の学校まで襲わせたのは、単なるカムフラージュに過ぎません。本当の狙いはあなた達の学校だったんです」
「カムフラージュって」
「1つの学校を襲うのはその学校に恨みがあるのかと疑われます」
「いや、でも」
「その学校の関係者の人間関係が洗い出され、あたしが青山先生と関わりがあるとわかったらいけませんからね」
フフ、と笑う美綺さんはまるで魔女のようだった。
「でも美綺さんは先生の元教え子にすぎません。もし仮に警察がただの昔の教え子まで調べるとしたら、膨大な数になって埒(らち)があきませんよ」
「それは」
ここで彼女は一息入れて言った。
「あたしがただの教え子じゃなかったからです」
「ただの教え子じゃなかったって…どういうこと?」
すがりつくような視線を先生に向ける。
彼はまだうつむいたままだった。
「青山先生はあたしの中学の時の先生でした。それと同時に」
「源氏!」
先生が言うが、美綺さんはためらうことなく私にこう言い放った。
「それと同時に、恋愛関係にあったんです」
「…」
衝撃が強すぎて何も言うことが出来なかった。
私が入院した時に言われたあれは、冗談なんかではなかったんだ。
ただその場に立ち尽くすだけだった。