夢でいいから~25歳差の物語
「本当にそうだね」
少し遅れて私は言った。
冷静に考えてみればあの状況でよく先生をかばうことが出来たな、と思う。
もし今、銃なんか見たら足がすくんでしまうのではないか。
それもきっと先生の言う、家族を思う気持ちなのかな。
失いたくない。
そう思ったから先生の前に立ちはだかった。
「本当に人の心を奮い立たせ、掻き立てるのは誰かを大切に思い、守りたいという気持ちなんだね」
「ああ」
私のセリフに先生はしっかりうなずく。
「人生は何があるかわからない。明日、私が落とし穴に落ちるかもしれないし、10年後、悪の大魔王を倒して世界に平和をもたらすかもしれない」
「なんだ、そりゃ。悪の大魔王とかRPGかよ。しかもお前は勇者役か。いいとこ取りだな、おい」
先生はくすくす笑った。
「いや、だから例えだよ。例え」
私がここで先生がRPGを知っていることを意外に思ってしまったことは内緒だ。
「あーそうか」
あっ、なんとまさかの「あーそうか」の登場だ。
なんて懐かしい。
最後に聞いたのは先生がまだ記憶を失っていた時だったな。
まぁ、あの時は私が言わせたんだけどね。
「なぁ、流星」
「ん?」
「今までひどいこと言ったり、危険な目にあわせたりしてきた。それでもお前は俺の隣にいてくれるか?」
「言ったでしょ。先生と一緒にどこまでも行くって」
何のためらいもなく言うと、先生は安堵したように微笑んだ。
少し遅れて私は言った。
冷静に考えてみればあの状況でよく先生をかばうことが出来たな、と思う。
もし今、銃なんか見たら足がすくんでしまうのではないか。
それもきっと先生の言う、家族を思う気持ちなのかな。
失いたくない。
そう思ったから先生の前に立ちはだかった。
「本当に人の心を奮い立たせ、掻き立てるのは誰かを大切に思い、守りたいという気持ちなんだね」
「ああ」
私のセリフに先生はしっかりうなずく。
「人生は何があるかわからない。明日、私が落とし穴に落ちるかもしれないし、10年後、悪の大魔王を倒して世界に平和をもたらすかもしれない」
「なんだ、そりゃ。悪の大魔王とかRPGかよ。しかもお前は勇者役か。いいとこ取りだな、おい」
先生はくすくす笑った。
「いや、だから例えだよ。例え」
私がここで先生がRPGを知っていることを意外に思ってしまったことは内緒だ。
「あーそうか」
あっ、なんとまさかの「あーそうか」の登場だ。
なんて懐かしい。
最後に聞いたのは先生がまだ記憶を失っていた時だったな。
まぁ、あの時は私が言わせたんだけどね。
「なぁ、流星」
「ん?」
「今までひどいこと言ったり、危険な目にあわせたりしてきた。それでもお前は俺の隣にいてくれるか?」
「言ったでしょ。先生と一緒にどこまでも行くって」
何のためらいもなく言うと、先生は安堵したように微笑んだ。