夢でいいから~25歳差の物語
すると誰かが入ってくる。


ガラガラッ。


「…!」


それを見た先生を含む全員が固まってしまった。


そこにいたのはお面を付けて、手に鉄パイプを持った人達だった。


アニメのキャラクターや動物のお面だったらかわいいだろうが、実際は怒り狂ったような顔をした鬼のお面という悍(おぞ)ましい代物だった。


「きゃあー!」


「うわぁーっ」


叫び声を上げてベランダに逃げるクラスメート達。


そんな中、先生は冷静に彼ら(体格や髪型、身長からして、全員男性のようだ)を睨む。


「なんだ、お前らは。遊ぶなら公園で遊べ」


先生!


そんな見下しているともとれる発言、こんな奴らにはまずいんじゃ!?


案の定、彼らのうちの1人が先生に襲いかかる。


「はあ!」


が、先生はあっさり投げ飛ばしてしまった。


「強い…」


私は思わず呟いた。


すると先生は必死な顔をして、私に向かって叫んだ。


「お前、何やっているんだ!!さっさと逃げろ!」


気付くと教室に生徒はいなかった。


みんなベランダから非常階段を使って逃げたらしい。


でも1人で戦っている先生を見捨てられないよ。


どうすることも出来ずにもたもたしていると、また叫び声がした。


「俺のことはいいから早く逃げろ!さもないと…お前のこと、嫌いになるぞ!!」


「…!」


先生の言葉にわずかな期待をして私は頷き、ベランダに飛び出した。


先生、それでも私、後で助けに行くから。


待ってて。
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