夢でいいから~25歳差の物語
Special episode 秋-偽りの落葉(美綺14歳、皐示37歳)
~Side美綺~
9月。
夏休みがあっという間に終わって新学期になっても、あたしと先生の関係は相変わらずだった。
放課後に1人で理科室に行き、先生と他愛のない話をするのが最近の日課だ。
自分だけの秘密の時間。
「源氏。今日の授業中、寝てただろ」
いつもなら絶対に寝ないのに、今日は夕べの夜更かし(数学の宿題が終わらなかったため)のせいであろうことか、青山先生の授業でついうっかり居眠りしてしまったのだ。
「…すいません」
「ったく、次からは寝るなよ」
「わかってます。先生の話、ちゃんと聞きます」
「おっ、いい心がけだ」
先生はニッと笑う。
「先生、いい声してますしね」
「そっちかよ」
「あぁー、せっかくほめたのに」
「なんだ、それ」
そんな下らない会話もあたしにとっては幸せだった。
誰も知らない秘密を抱えている優越感に浸ってさえいる。
あたしは急に先生に抱きついた。
「げ、源氏」
突然のことに慌てふためく先生、可愛い。
「先生。大好きだから」
「…ああ」
ためらいがちに頭を優しく撫でてくれる。
緊張しているのだろうか、少しその手は震えているみたい。
あたしは急に湧いた嫌な予感を忘れたくて、息苦しいくらいに先生の胸に顔をうずめた。
こうして2人でいられるなら、何もいらない。
9月。
夏休みがあっという間に終わって新学期になっても、あたしと先生の関係は相変わらずだった。
放課後に1人で理科室に行き、先生と他愛のない話をするのが最近の日課だ。
自分だけの秘密の時間。
「源氏。今日の授業中、寝てただろ」
いつもなら絶対に寝ないのに、今日は夕べの夜更かし(数学の宿題が終わらなかったため)のせいであろうことか、青山先生の授業でついうっかり居眠りしてしまったのだ。
「…すいません」
「ったく、次からは寝るなよ」
「わかってます。先生の話、ちゃんと聞きます」
「おっ、いい心がけだ」
先生はニッと笑う。
「先生、いい声してますしね」
「そっちかよ」
「あぁー、せっかくほめたのに」
「なんだ、それ」
そんな下らない会話もあたしにとっては幸せだった。
誰も知らない秘密を抱えている優越感に浸ってさえいる。
あたしは急に先生に抱きついた。
「げ、源氏」
突然のことに慌てふためく先生、可愛い。
「先生。大好きだから」
「…ああ」
ためらいがちに頭を優しく撫でてくれる。
緊張しているのだろうか、少しその手は震えているみたい。
あたしは急に湧いた嫌な予感を忘れたくて、息苦しいくらいに先生の胸に顔をうずめた。
こうして2人でいられるなら、何もいらない。