夢でいいから~25歳差の物語
それから5年弱の月日が流れた。


12月。


あたしの手中にある新聞には「学校を襲撃する謎の集団、今度は地方に現れる!!」という見出しが踊っている。


成功だ。


お金で雇った連中で高校を襲わせる計画。


情報屋曰く父の仇相手(張本人は自殺したというのでその弟)はある高校に勤めているという噂を掴んだらしい。


だから手始めに適当な高校を襲撃させていった。


青山先生がいるという柏原高校はもちろん避けて。


さて、今度は4月辺りかな。


標的はわりと近くの銀星高校。


ここが一番怪しいらしい。


歪みすぎた、そして間違っている復讐心を燃やし、あたしは自分でもぞっとするような笑みを浮かべた。


青山先生が銀星高校に勤めていたことも、ましてや父を殺した青山謙逸の弟が青山先生だったということもこの時は知る由もなかった。
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