夢でいいから~25歳差の物語
Special episode 絆-40年の時を越えて(流星24歳、皐示50歳)
5月5日。
「乾杯!」
私と先生はワインの入ったグラスをカチンと合わせた。
「50歳の誕生日おめでとう、先生」
「ありがとう」
先生はこの季節の風よりも爽やかに笑った。
「では、50歳を迎えた青山皐示さんから一言お願いします」
突然の私の無茶振りに彼は焦る。
「え?ええと…私、青山皐示は本日50回目の誕生日を迎えたわけですが…これからもますます精進して参りたいと思います。どうぞよろしくお願いします」
「はい。ありがとうございました。続いて青山皐示さんに…」
「もういいよ」
私がさらに何か言わせようとするのを、先生は苦笑しながら遮った。
「いやあ、それにしても私達の最初の出会いから8年も経つのか。早いなあ」
グラスを傾けながら私はしみじみと言う。
「だな」
先生もしんみりと相槌を打った。
「先生が私の生物の授業の担当になって。母さんと結婚して、離婚して。私達の交際が始まって、そして結婚して、記憶を失って、取り戻して。先生が命を狙われかけて」
「そう考えると本当に俺達って紆余曲折を経てきたんだな」
「そうだね」
長かったようであっという間だった8年。
色々なことがありすぎて慌ただしかった。
だけど、先生と一緒だったからこうして今、笑っていられるのかもしれない。
私はふふっと密かに笑ってワイングラスを口にした。
「乾杯!」
私と先生はワインの入ったグラスをカチンと合わせた。
「50歳の誕生日おめでとう、先生」
「ありがとう」
先生はこの季節の風よりも爽やかに笑った。
「では、50歳を迎えた青山皐示さんから一言お願いします」
突然の私の無茶振りに彼は焦る。
「え?ええと…私、青山皐示は本日50回目の誕生日を迎えたわけですが…これからもますます精進して参りたいと思います。どうぞよろしくお願いします」
「はい。ありがとうございました。続いて青山皐示さんに…」
「もういいよ」
私がさらに何か言わせようとするのを、先生は苦笑しながら遮った。
「いやあ、それにしても私達の最初の出会いから8年も経つのか。早いなあ」
グラスを傾けながら私はしみじみと言う。
「だな」
先生もしんみりと相槌を打った。
「先生が私の生物の授業の担当になって。母さんと結婚して、離婚して。私達の交際が始まって、そして結婚して、記憶を失って、取り戻して。先生が命を狙われかけて」
「そう考えると本当に俺達って紆余曲折を経てきたんだな」
「そうだね」
長かったようであっという間だった8年。
色々なことがありすぎて慌ただしかった。
だけど、先生と一緒だったからこうして今、笑っていられるのかもしれない。
私はふふっと密かに笑ってワイングラスを口にした。