夢でいいから~25歳差の物語
~Side皐示~
「ん?」
クーラーがフル稼働し、扇風機が1台だけ回っている職員室で休憩していると、ふいに流星の声が聞こえた気がした。
「どうしたんです?青山先生」
隣にいた同い年の芹沢先生が話しかけてくる。
「いや、妻の声が聞こえた気がして」
正直に答えると、芹沢先生は笑い出した。
「青山先生ったら幸せボケですかー?」
「ち、違いますよ」
「隠さなくてもいいんですよ。僕なんて女房の尻に敷かれるわ、大学生の娘には煙たがられるわで家では肩身が狭いんですから。いやあ、うらやましいなぁ」
大学生の娘という言葉にドキっとした。
俺ももう50歳。
そういう年の子供がいてもおかしくないんだ。
「…」
何とも言えない不思議な気持ちになる。
今までは流星と自分の2人だけの未来を思い描いてきた。
そこに新たな生命が加わるところを想像してみる。
…きっと、それもそれで楽しいのだろう。
思わず笑みが浮かぶ。
「さっきから急に黙ったり笑ったり。今日の青山先生、変ですよ?」
「やっぱり幸せボケってことにしておいて下さい」
俺は立ち上がり、窓の外を見た。
空は今日も透き通るような水色で、まるで俺の心を表しているかのようだった。
「ん?」
クーラーがフル稼働し、扇風機が1台だけ回っている職員室で休憩していると、ふいに流星の声が聞こえた気がした。
「どうしたんです?青山先生」
隣にいた同い年の芹沢先生が話しかけてくる。
「いや、妻の声が聞こえた気がして」
正直に答えると、芹沢先生は笑い出した。
「青山先生ったら幸せボケですかー?」
「ち、違いますよ」
「隠さなくてもいいんですよ。僕なんて女房の尻に敷かれるわ、大学生の娘には煙たがられるわで家では肩身が狭いんですから。いやあ、うらやましいなぁ」
大学生の娘という言葉にドキっとした。
俺ももう50歳。
そういう年の子供がいてもおかしくないんだ。
「…」
何とも言えない不思議な気持ちになる。
今までは流星と自分の2人だけの未来を思い描いてきた。
そこに新たな生命が加わるところを想像してみる。
…きっと、それもそれで楽しいのだろう。
思わず笑みが浮かぶ。
「さっきから急に黙ったり笑ったり。今日の青山先生、変ですよ?」
「やっぱり幸せボケってことにしておいて下さい」
俺は立ち上がり、窓の外を見た。
空は今日も透き通るような水色で、まるで俺の心を表しているかのようだった。