夢でいいから～25歳差の物語

最初に美術室｡


美術部員の絵や生徒の作った粘土工作が出迎えてくれる｡


そして粘土や絵の具で汚れた机や床｡


少し感傷に浸った後､私は次の場所に移る｡


図書室｡


今日を含めて3回しか行くことがなかったけれど､大量の本に別れを告げてそこを出た｡


そして保健室｡


幸いここには身体測定の時にしかお世話にならなかったけど､名残を惜しみながら立ち去る｡


外に出て学習館｡


課外を会議室でやらない時にはたいていここでやっていた｡


2年生の冬休みの課外の時の青山先生のこぼれる笑みを思い出させて､つらくなる｡


校舎に戻って化学室｡


ここは1年生の時に1回入っただけ｡


でもあの時の実験は楽しかった｡


男子がふざけたり騒いだりで私も笑って｡


もうあんな風に笑えることはないんだね｡


体育館｡


ここでバレーもバスケもバドミントンもやっていたんだ｡


冬はあまりの寒さにぶるぶる震えながら入ったっけ｡


学年集会や式典はいつもここで行われた｡


昨年度に行われた80周年記念式典の会場も､もちろんここだった｡


今は卒業式の準備が着々と行われている｡


家庭科室｡


1年生の時しか入ってないけど調理実習が本当に楽しかった｡


機会があったらまたやりたいな｡


隣の部屋にはミシンが置いてあって私はそこで居残りさせられたこともあったんだよね｡


卓球場｡


体育をたまにここでやっていた｡


卓球やバドミントンを友達と夢中になってやっていた場所｡


学年集会のお説教もここで聞いたんだよね｡


会議室｡


春休み､夏休み､冬休みの課外は学習館だけでなくここでも行われた｡


前列に座り､問題と苦戦していた私の姿が思い浮かぶ｡


そして最後に向かった場所､それは…｡


生物室｡