夢でいいから~25歳差の物語
Secret7 過去に苦悩する男と複雑な想いを抱える女
「どうして…」
「…」
「どうして離婚なんか!」
思いもよらぬ事実に私は両手の拳で机をバンと叩き、勢いよく立ち上がった。
飲みかけの紅茶の紅が揺れる。
そこには私の顔が歪んで映し出されていた。
「性格の不一致よ」
「そんな…」
「仲がいいのなんて最初だけね。わたし、やっぱり性格がダメなのかしら。何事も続かないの。健一郎さんの時も、皐示さんの時も」
「…」
切なげで、でも悲しそうに微笑む母に対し、私は何も言えなかった。
「ごめんね、流星。今まで黙っていて」
「いつ別れたの?」
「1ヶ月前よ」
「どっちから別れを切り出したの?」
「わたしよ」
「そう…」
悲しい沈黙が部屋に広がった。
クラシカルなデザインの壁時計のカチ、コチという音がやけに響く。
その気まずさに耐えられなくなり、私は沈黙を破った。
「母さん」
「何?」
「私、帰るね」
「あなた、もしかして…」
「大丈夫。離婚したのに黙っていたことを怒っているわけじゃないよ。ただ、今はここにいる気分じゃないだけ。また来るからさ」
「流星…」
「心配しないで。ね?」
「わかった。気をつけてね」
「うん。またね」
母に見送られて家を出て、私が向かった場所、それは学校。
銀星高校だった。
「…」
「どうして離婚なんか!」
思いもよらぬ事実に私は両手の拳で机をバンと叩き、勢いよく立ち上がった。
飲みかけの紅茶の紅が揺れる。
そこには私の顔が歪んで映し出されていた。
「性格の不一致よ」
「そんな…」
「仲がいいのなんて最初だけね。わたし、やっぱり性格がダメなのかしら。何事も続かないの。健一郎さんの時も、皐示さんの時も」
「…」
切なげで、でも悲しそうに微笑む母に対し、私は何も言えなかった。
「ごめんね、流星。今まで黙っていて」
「いつ別れたの?」
「1ヶ月前よ」
「どっちから別れを切り出したの?」
「わたしよ」
「そう…」
悲しい沈黙が部屋に広がった。
クラシカルなデザインの壁時計のカチ、コチという音がやけに響く。
その気まずさに耐えられなくなり、私は沈黙を破った。
「母さん」
「何?」
「私、帰るね」
「あなた、もしかして…」
「大丈夫。離婚したのに黙っていたことを怒っているわけじゃないよ。ただ、今はここにいる気分じゃないだけ。また来るからさ」
「流星…」
「心配しないで。ね?」
「わかった。気をつけてね」
「うん。またね」
母に見送られて家を出て、私が向かった場所、それは学校。
銀星高校だった。