夢でいいから~25歳差の物語
-自宅-
帰宅してからかれこれ2時間は経つ。
しかし、頭の中にはこの2時間、母のことしかない。
私は母を裏切った。
きっと母も今頃、私を恨んでいるのかもしれない。
母が先生の手を叩くシーンが今でも鮮明によみがえってくる。
それは、映像を見ているなんて生易しいものじゃない。
あの時にワープしちゃったとしか思えないほどだ。
私はテーブルの上にあるケータイを見た。
母と話してすっきりしたい。
そして何もなかったかのようにしたい。
だけど…。
1つの考えが私の邪魔をする。
私を恨んでいたらどうしよう。
不安が襲う。
母の気持ちは1年前の春休みの帰省の時、打ち明けられている。
「仲がいいのなんて最初だけね。わたし、やっぱり性格がダメなのかしら。何事も続かないの。健一郎さんの時も、皐示さんの時も…」
そう言った時の母の切なげな顔。
離婚したものの、本当は先生を愛しているんだ。
それが私の胸を締め付ける。
なんてことをしてしまったのだろう。
「本当にごめんなさいね」
そして私達の横をすり抜ける母のつらそうな顔。
「母さん…」
私までつらくてどうすればいいかわからなくなり、涙をこぼした。
鳴ることもなく沈黙を保っているケータイを胸にして。
帰宅してからかれこれ2時間は経つ。
しかし、頭の中にはこの2時間、母のことしかない。
私は母を裏切った。
きっと母も今頃、私を恨んでいるのかもしれない。
母が先生の手を叩くシーンが今でも鮮明によみがえってくる。
それは、映像を見ているなんて生易しいものじゃない。
あの時にワープしちゃったとしか思えないほどだ。
私はテーブルの上にあるケータイを見た。
母と話してすっきりしたい。
そして何もなかったかのようにしたい。
だけど…。
1つの考えが私の邪魔をする。
私を恨んでいたらどうしよう。
不安が襲う。
母の気持ちは1年前の春休みの帰省の時、打ち明けられている。
「仲がいいのなんて最初だけね。わたし、やっぱり性格がダメなのかしら。何事も続かないの。健一郎さんの時も、皐示さんの時も…」
そう言った時の母の切なげな顔。
離婚したものの、本当は先生を愛しているんだ。
それが私の胸を締め付ける。
なんてことをしてしまったのだろう。
「本当にごめんなさいね」
そして私達の横をすり抜ける母のつらそうな顔。
「母さん…」
私までつらくてどうすればいいかわからなくなり、涙をこぼした。
鳴ることもなく沈黙を保っているケータイを胸にして。