ありちゃんと不思議の国
プロローグ
「んん~、あっつ~い。」

20代になってから初めてむかえる夏。

私、二宮有歌は家のバルコニーでジュ
ースを飲みながら、大学の課題をやって
いた。

「もう、有歌ってばさっきから休憩し
 てばっかりじゃん…」

一緒に課題のレポートをやっていた心友
の真理が呆れたように言ってきた。

「ごめん、ごめん。だってすごい日差し
 が眩しいじゃん。しかも空も青く澄ん
 でてなんか生きててよかった~みたい
 に思って…」

「『生きててよかった』…ってアンタは
 どんだけマイペースなんだっ!!
 まだこんなに課題残ってるじゃないか
 -!!」

ああああ…怒っちゃった?

「ごめん!今から頑張るよー!!」

「けど、確かになんだか今日はいい天気
 だよね。」

あれ?もう機嫌直ってるし…

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