私、幼なじみが好きなんです。


「嫌です!」

私は満面の笑みで答えてやった。

満面の笑みで。


坂元さんの目がピクピクしているのは直ぐに分かった。



「ってのは冗談…で」


「冗談かよ」


そうちゃんの冷静な突っ込み。

心なしかそうちゃんの口角は上がってる。気がする。




「一つだけ言わせて下さい」


坂元さんは、目を細め私の答えを待っている。




「私もそうちゃんの事…好きだから!」

私はまたもや満面の笑みで言うと、その場を立ち去った。


いわゆる、言い逃げってやつ。


< 128 / 207 >

この作品をシェア

pagetop