恋景色 ~真っ赤な嘘と林檎と誕生日~
「あっ!」
「ちゃんと準備してたんだもん♪ 委員長に取られてもいいようにね♪♪」
あたしがポケットから取り出したモノ――それはピンクや黄色の数本のリボンだった。
「欲しけりゃ、あげるよ♪ ハイ♪ ついでに黄色のリボンもあげよっか~?」
「いらねぇよ、そんなの。ちぇっ、つまんねーの」
そう言ってクチをとがらせながら、あたしにリボンを返してくれようとする委員長。
“勝った♪”
この1年間、今まで何本のリボンを取られたことか……。
でも最後の最後で大逆転~っ♪♪
「七森くんがなに考えてるのかくらい、あたしにはなんでもお見通しなんだから♪」
「えっ…お見通しって……」
ほっぺたを赤くする委員長。
「そのリボン、返してくれなくてもいいよ。あげるから思い出にとっといて」