恋景色 ~真っ赤な嘘と林檎と誕生日~
第3章 「彼女は少女?魔女?」
女は“女になる”わけじゃない。
生まれたときから女だ。
ましてや、このセーラー服姿を一目見れば、あたしが女子生徒であり、女以外の何者でもないことを世の中のみんなが一瞬にして認めてくれる。
「行ってきまーす」
「おぅ、行ってらっしゃい。今日はまた随分と早いお出掛けだな」
でも、父さんにしてみれば今でもあたしは、一緒におフロに入ってシャンプーが目に入ったと泣いては自分を困らせた幼稚園の頃のあたしのままだったんじゃないかと思う。
「父さん。今日は部活の朝練があるんだ」
「アレ? 由妃は確か美術部じゃなかったのか? 運動部ならともかく美術部の朝錬なんか聞いたことがないな…」
「あなた。由妃はサッカー部のボーイフレンドに会いに行くのよ」
「母さん、由妃はまだ14歳だぞ。ボーイフレンドなんているわけないじゃないか」
「アラ、14歳は立派な乙女よ♪」
「そうなのか、由妃? もしボーイフレンドができたんなら父さんに紹介しなさい」
「ボーイフレンドじゃないよ。行ってきます」
生まれたときから女だ。
ましてや、このセーラー服姿を一目見れば、あたしが女子生徒であり、女以外の何者でもないことを世の中のみんなが一瞬にして認めてくれる。
「行ってきまーす」
「おぅ、行ってらっしゃい。今日はまた随分と早いお出掛けだな」
でも、父さんにしてみれば今でもあたしは、一緒におフロに入ってシャンプーが目に入ったと泣いては自分を困らせた幼稚園の頃のあたしのままだったんじゃないかと思う。
「父さん。今日は部活の朝練があるんだ」
「アレ? 由妃は確か美術部じゃなかったのか? 運動部ならともかく美術部の朝錬なんか聞いたことがないな…」
「あなた。由妃はサッカー部のボーイフレンドに会いに行くのよ」
「母さん、由妃はまだ14歳だぞ。ボーイフレンドなんているわけないじゃないか」
「アラ、14歳は立派な乙女よ♪」
「そうなのか、由妃? もしボーイフレンドができたんなら父さんに紹介しなさい」
「ボーイフレンドじゃないよ。行ってきます」